2019年からの新型コロナの影響で、海外での事業撤退や駐在員の削減に取り組む企業も増えているようです。また、そもそも渡航自体が難しくなっており、海外との距離ができてしまいました。
一方で、人口減少時代を迎える日本の将来を考えると、企業にはよりいっそうの海外展開が求められます。
このような状況で、20代の若手が海外駐在(海外勤務)をするメリットをまとめていきます。この記事を読むことで、海外勤務を目指すべき理由がわかってくると思います。
20代で外国人材・IT業界でカンボジア・ベトナム勤務を経験した私の体験をもとに書いていきます!
海外勤務のメリット10選
それでは、実際に筆者が経験した海外勤務のメリットを紹介していきます。
①給与が高い、出世に繋がる
そもそもですが、海外勤務の場合、給与が上がるケースが多いです。特に海外駐在の場合、日本で勤務するよりも待遇面がよくなる傾向にあります。地域にもよりますが海外赴任手当が出たり、現地での住居費や税金、社会保険料を会社が負担してくれたりします。現地での暮らし方にもよりますが、海外駐在中はまとまった貯金をするチャンスと言われています。
さらに、出世面でも有利です。今後の日本の人口減少や経済の衰退を考えると、日系企業は海外でのビジネスに軸足をずらさざるを得ません。つまり、ほとんどの企業で海外勤務経験は重宝され、昇進するために有利に働くことでしょう。
②転職に活きる経験が積める
海外勤務は社内での出世に有利とお話しましたが、海外勤務経験に価値を感じるのは、当然社内だけではありません。転職市場においても、海外でのビジネス経験がより評価される時代になっていくと予想されます。昨今では様々な業種の会社が海外進出しており、中堅・中小企業の海外展開も増えています。同じ会社にいるつもりがないという人にとっても、海外での経験はどの業界・会社でも活かせるポータブルスキルと言えます。
③多様な人的ネットワークをつくれる
海外勤務は日本ではなかなか繋がることのない人と知り合うチャンスです。日本人の数が少ない分、現地には様々なコミュニティが存在しています。立場や業界を超えた知り合いになる機会が豊富にあります。打算で付き合うわけではないですが、日本人同士助け合う中で将来に繋がるネットワークにすることができます。
もちろん、現地人スタッフや現地ビジネスパートナーとの繫がりもその国に行かなければなかなか濃いものにできません。中には現地の人と結婚して、その国の専門家として日本と現地の架け橋的になる人もいます。
④外の世界を知れる
日本から出ることで、様々な文化に触れ合うことができます。仕事面でも生活面でもいろんなことを感じるでしょう。例えば、仕事の締め切りに対する感覚や家族に対する考え方、単純に特有の料理など、日本と異なる体験がたくさんできるでしょう。時にストレスに感じることもありますが、好奇心が満たされます。また、自分の価値観が絶対じゃないと実感するいい機会となります。
⑤自分の価値観が分かる
日本でしか暮らしたことがないと、常識に縛られがちではないでしょうか。働き方や考え方が自分に合わなかったとしても、日本ではそれが当たり前と言われると息苦しく感じます。しかし、海外に出てみるとそもそも常識が異なります。当たり前だと思っていたことがそうではないと実感した時に、改めて自分は何を大切にしたいのか考えるきっかけになります。
「残業するのが当たり前」という生活を送っている人が海外勤務で「定時に帰宅して家族との時間を大切にする」という価値観に触れるかもしれません。そこからどう考えるかは人それぞれですが、海外勤務は当たり前を見つめ直して自分の価値観を考えるきっかけになります。自分の価値観がはっきりしているとその後の人生で迷うことが少なくなり、非常に生きやすくなります。
⑥生きた語学が身につく
海外で仕事をするにあたって、必然的に英語や現地語を使う場面が多くなります。そのため、海外勤務は生きた語学が身につきやすいです。語学学習にはとにかく言葉を使うことが大切です。海外勤務では、公私ともに頻繁に使うので、お金を払ってオンライン英会話をするよりも上達が早いはずです。
⑦マネジメント経験を積める
日系企業で海外勤務をした場合、日本で働くよりも役職が上がる場合が多いです。若手でも日本人が少ないためマネージャーとしての役割を経験することができます。多国籍チームのマネジメントは日本人のみのマネジメントに比べて難しいかもしれませんが、試行錯誤する中で学ぶことは多いです。
⑧幅広い業務知識を得られる
現地事務所や現地法人には日本人メンバーは少数精鋭のケースが多いです。そうなると、1人ひとりが経理などのバックオフィスから営業、マネジメントまで幅広い業務について把握する必要があります。大企業であればあるほど、日本の本社では細分化した仕事をする傾向にありますので、海外勤務では幅広い視野を身につけることができるでしょう。
⑨度胸がつく
海外勤務は日本での仕事以上に、何が起こるかわかりません。国によって、デモが発生したり、不安定な政治の影響を受けたり、日本ではなかなか起きないことが発生します。予期せぬ出来事や場面に出会うたびに動揺していては身が持ちませんし、仕事になりません。トラブルをクリアしていくたびにいちいち動じない度胸がつきます。海外勤務はたくましさを鍛えることにもなります。
⑩適応力が高まる
生まれ育った環境と異なる場所で生活していくことはやはり大変なので、海外勤務は環境適応能力を身につけるいいトレーニングになります。現代はVUCA時代(Volatility変動性、Uncertainty不確実性、Complexity複雑性、Ambiguity曖昧性)と呼ばれ、変化の激しい時代です。環境に適応できる人材こそ生き残り、活躍し続けるでしょう。その意味で、海外勤務は適応力を鍛えるいい機会と言えます。
20代だからこそ海外勤務を狙うべき3つの理由
「海外勤務のメリットはわかった、でもなんで20代がいいの?」という方もいらっしゃると思います。次に20代こそ、上記のメリットの恩恵を教授できる理由を説明していきます。
吸収力が高い
若い頃のほうが比較的、吸収力が高いです。語学や業務知識の習得は40代、50代でイチから学ぶよりもやはり若いほうがやりやすいでしょう。それに40代以降の場合、会社から求められる役割は過去の経験を活かして成果を出すことになります(人件費も高いので)。もちろん、20代でも成果は求められますが、学習的側面も考慮してもらえる可能性が高いです。若い頃に行くと吸収できることも多くなります。
人生への影響力が大きい
海外勤務で得られるメリットは若ければ若いほど影響が大きいと言えます。例えば、お金は早いうちに貯めた方がその後、有効に使える時間が長くなりますし、語学や知識・スキルも早く身につければその分多く使えます。最も重要なこととして、若いうちに自己理解が深まればその後の長い人生で幸福な選択ができるますし、迷う時間が少なくて済みます。早ければ早いほど、あとあと複利のように好影響をもたらすため、海外勤務は早いうちに行ったほうがいいと言えます。
身軽
最後に、20代は比較的、背負うものが少ないことも理由になります。結婚したり、子どもができたり、親の介護が始まったりすると、なかなか海外にどっぷりというわけにいかなくなる場合もあります。身軽で自由に動ける20代だからこそ、思いきり経験を積めるわけです。
(あえて)海外勤務のデメリットと解消法
若手のうちに海外に行くメリットをご理解いただけたのではないでしょうか。ここまで読んで、中には「逆にデメリットもあるのでは?」と考える方もいるかもしれません。個人的にはそんなにないと思っていますが、いちおう考えられる海外勤務のデメリットとその解消方法も記載しておきます。
出会いの場が減る
日本での出会いの場が減ってしまう、婚期が遅れるのでは?と懸念する人がいるかもしれません。しかし、実際日本でどれくらい新しい人に出会えているでしょうか。むしろ海外では日本人コミュニティの結束が強く、様々な人と知り合うことができます。また、帰国後を見越してマッチングアプリの活用を検討するなどやり方はいくらでもあります!筆者はカンボジア駐在中に現在の妻と付き合いはじめました。
家族と離れることになる
日本に残す家族(親や兄弟)との時間が減ってしまったり、離れていては心配という方もいると思います。私もそこは懸念点でした。ですが、色々と対策をとることで心配を最小限にできます。
まず過ごす時間ですが、タブレットを導入して定期的にテレビ電話をする、LINEで頻繁にコミュニケーションを取る、現地へ招待する、などの対策をとって解消しました。
次に、心配ごとですが、リスクを考えていくとほとんどの場合、何かあった時に帰国すれば問題ないという結論に至りました。唯一、大災害が起こった時だけ帰国もできそうにない上、帰国する時間に間に合わない場合があると思い、実家などの防災準備だけは徹底しました。具体的に行ったことは【海外移住の不安解消】日本に残す家族のための防災対策をご参照ください。
ストレスを感じる
慣れない海外での生活、仕事はストレスになります。特に希望していなかった場合に感じるストレスは大きいと思います。しかし、海外勤務のメリットでも見てきたように、そのストレス自体が適応力アップのトレーニングになりますし、行ってみれば意外と楽しいと思うかもしれません。有限な人生を無駄にはできないので、せっかく行くことになったのならば、楽しめるといいですよね。考え方を変えて前向きに捉えてみてください!
海外勤務を実現する方法
海外勤務ができるかどうかは若干運次第というところもあります。特に、今いる企業で仕事を続けながら駐在のチャンスを待つとなると不確実性はやや高めです。英語学習を続けたり、希望を出すなどをしながら海外駐在の機会を伺うのもアリですし、平行してすぐに駐在できるポジションや現地採用の求人に応募するのもいいでしょう。
海外へ行く方法は【海外移住する方法10選】仕事はどうする?各方法のメリット・デメリット紹介をご参照ください。他にも、海外駐在しやすい会社の選び方も記事にする予定です。
まとめ
以上、20代若手のうちに海外勤務を経験するメリットについてまとめました。私自身、20代で海外勤務を経験し実感したものを紹介しました。今後、日本の人口も減少し、すべての業界・企業で海外ビジネスの重要性が高まることが予想されます。
興味を持たれた方は、できるところから行動してみることをオススメします。
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