ベトナムに赴任することになったら、あるいは自分の会社がベトナム進出を検討するなら現地の基本的情報を把握しておきたいですよね。
本記事では、ホーチミン在住の筆者がベトナムの地理について抑えておくべきポイントをまとめました。
赴任前は何かと忙しいと思いますが、準備しておけばスムーズなスタートダッシュを切れるのではないでしょうか。
[ベトナム地理]南北に長い国土
【国土について】
[長さ]南北に約1650km(北海道〜沖縄が約3000km)
[面積]約33万k㎡(九州を除いた日本くらい)
[地形]国土の66%が山岳森林地帯、耕作可能地は約20%
[主な河川]紅河(北部)、メコン川(南部)
[気候]北部:熱帯モンスーン気候(春夏秋冬の四季)
北中部:夏と冬
南中部:雨季と乾季
南部:赤道熱帯モンスーン気候(雨季と乾季)
[農業]国際河川が形成する肥沃なデルタ地帯で稲作が盛ん
南部はコメの三毛作が行われる。
[ベトナム地理]周辺国との関係
ユーラシア大陸の南東部、インドシナ半島東部に位置し、
西側にカンボジア、ラオス、北側に中国の3か国と接しています。
日本との距離は直線で約3600km、飛行機で5〜6時間ほどです。
国土の東側は海に面していて、北部にトンキン湾、中部から南部にかけては南シナ海、南西部はタイランド湾が広がっています。
1986年のドイモイ政策以降、経済をグローバルに開放し、各国との経済的交流が活発化した一方で、領土に関する問題も抱えています。
南シナ海に位置する南沙群島(スプラトリー諸島)の領有権を中国、台湾、フィリピン、マレーシア、ブルネイがそれぞれ主張し、島ごとに実行支配する状況が続いており、調整が難航しています。
また、中国、カンボジア、タイとの領海線の問題も解決していません。
メコン経済圏とは?
中国雲南省を源流とするメコン川はミャンマー、タイ、ラオス、カンボジアを通り、ベトナムから南シナ海へと注ぐ国際河川です。このメコン川流域の国々からなる一大経済圏をメコン経済圏と呼びます。
各国、人口の増加、外資による投資の活発化などから経済発展が期待されている経済圏です。
ホーチミンからカンボジア(人口1500万人)までは車で2時間ほど、同じくホーチミンからバンコク(人口6980万)までは飛行機で1時間30分など、陸空路の整備がなされヒト・モノ・カネの行き来が活発化しています。直接的な経済的交流もあり、例えば、ベトナム−ラオス(人口700万人)の国境沿いにはラオバオ経済特区が設置され、工場・商業施設・学校・住宅の整備を進められています。
主要都市の紹介
首都ハノイ[ベトナム北部]
【ハノイ(Hanoi)】
【特徴】ベトナムの首都。政治の中心地で行政機関が並ぶ。
【人口】約805万人(2019年国家統計局)ベトナム2位
【地域】北部、紅河流域
【アクセス】ノイバイ国際空港(市内へ車で40〜60分)
【歴史】11世紀から政治・文化の中心地として栄える。
1945年に首都となり、南北統一後も首都として現
在に至る。
商業都市ホーチミン[ベトナム南部]
【ホーチミン(Ho Chi minh City)】
【特徴】最大人口を擁する商業都市。経済の中心地。
【人口】約899万人(2019年国家統計局)ベトナム1位
【地域】南部、メコン川流域
【アクセス】タンソンニャット国際空港(市内へ車で30分)
【歴史】旧名サイゴン。ベトナム戦争後の1975年に統一国家
建国の父ホー・チ・ミンにちなんで命名。
港町ダナン[ベトナム中部]
【ダナン(Da Nang City)】
【特徴】観光・軍事的に重要な港町。ビーチリゾートで注目
【人口】約113万人(2019年国家統計局)
【地域】中部
【アクセス】ダナン国際空港(市内へ車で約15分)
【トピック】5つ星リゾートホテルが並ぶ観光地。日本から
も、2019年にホテル三日月グループが進出。総
額120億円を投じて屋内プールを備えた複合レ
ジャー施設を開業しています。(日本経済新聞,
2017年10月)
まとめ
以上、ベトナムの地理に関しておさえておくべきポイントをご紹介しました。
周辺国との間に位置し、かつ海に面しているベトナムは地政学的にメリットが大きいと言えます。今後も、人口・国内経済が発展していく上で有利に働くことでしょう。
ベトナムに赴任される方の情報収集のお役に立てていれば幸いです。ベトナム経済の基礎知識も知っておきたい方は、【基礎編】ベトナム駐在が決まったら知っておくべき経済知識もご参照ください。
コメント